【美術展】《叫び》以外にも面白い絵が盛りだくさん!「ムンク展-共鳴する叫び」レポート!

エドヴァルド・ムンク 《叫び》 アート
エドヴァルド・ムンク 《叫び》

ムンク展に行ってきました。平日で、しかもまだ会期終了まで1ヶ月以上あるのにもかかわらず、結構な混雑具合でした。

【公式】ムンク展ー共鳴する魂の叫び

 

「ピエール・ボナール展」のときは、ここまで混んではいなかったんですが。やっぱり、ムンクは知名度が高いからですかね。

 

ボナールは知らなくても、“ムンクの《叫び》”といえば、誰もが一度は聞いたことがあるといってもいいくらいですから。

 

 

日本はたしか、世界でもトップクラスの美術館の動員数をほこっているらしいです。イギリスでもフランスでもなく、日本が。あまりそんなイメージはないですが、日本人は意外とアート好きなんですね。

 

暇を持て余したご老人たちの暇つぶしになっているのかもしれませんが。実際館内で見て回っているときは、半分以上がご老人でしたね。

 

といっても、べつに若い人がいないわけではないし、行ってはいけないわけでもないです。制服を着た中学生くらいの子たちもいましたし。

まあ、目的はムンクの絵画を観ることですから、まわりに誰がいようとたいして関係ないですが。

 

エドヴァルド・ムンクの絵画は、正直、《叫び》しか知りませんでした。

 

なので、

《叫び》だけの一発屋なんじゃないの?

などと失礼なことを考えていたのですが。

 

それは、まったくの無用な心配でした。

 

あまりにいろんなところで使われて、見飽きた感すらある《叫び》

その《叫び》よりも、むしろそれ以外の絵画のほうが、新鮮な気持ちでムンクという画家の作品を見ることができました。

 

この「ムンク展」では、展示されている作品が100%ムンクの絵画でした。

 

実際に美術展に行ったら驚くこと

 

本や画集で見たときと、実物を見たときに驚くのは、色合いサイズです。

 

写真と肉眼では、見える色がちがう

 

画集とかアートの本にのっている絵画は、ほとんどが写真でとったものだと思います。

 

アナログの絵画をデジタルに変換して、そこからまたアナログの紙に印刷する。その間に絵画から受け取れる情報が抜け落ちてしまっているように感じます。

 

音楽でいうと、mp3に変換するときに音域をバッサリ削る、みたいなことですね。

 

それが実物を生で見ると、絵画を発している色をそのままダイレクトに肉眼でとらえることができます。

 

こういってはなんですが、美術展にいったあとに本を見ると、だいたい「実際はもっときれいな色だったなあ」と思ってしまいます。

 

いまのところは、アナログのものは肉眼で直接見るのが一番いいんですよね。

 

実物のサイズ感に驚く

 

美術館に行くと、自分が想像していたより大きい絵画に、あるいは想像よりずっと小さい絵画に驚くことがあります。

 

今回のムンク展で、サイズ感に一番驚いたのは、《自画像》です。

 

エドヴァルド・ムンク 《自画像》

エドヴァルド・ムンク 《自画像》

 

実物の前に立ったら、予想以上に小さくて驚きました

 

実物のサイズ感に驚く理由は、本にのっている絵画のサイズにあります。

美術の本にのっている絵画は、(当たり前ですが)本物の絵画と同じサイズではありません。

 

たいていは、小さく縮尺したサイズの絵画の画像(写真)がのっています。ほとんどの絵画は、本のサイズよりも大きいので当然といえば当然です。

 

まれに本物の絵画と同じ大きさの画像を本に載せるなんていう面白いことをやっている本もありますが。

 

 

本にのせるというときに、サイズの逆転が起こるんですね。

 

実際には大きい絵画も小さい絵画もほぼ同じサイスでのる。もしくは、本のなかだけでは大きい絵画と小さい絵画のサイズが逆転するなんてこともあります。

 

実物は大きいのに申し訳程度に小さく表示されたり。

絵画の中では小さい方だけど、でかでかと表示されていたり。

 

本に載せる絵画のサイズを決めるのが誰なのかは知りませんが、こういうことが起こるのです。著者かデザイナーか出版社か…

 

ともあれ、本で読んだ印象をそのままもって美術館に行くわけです。そして、実物を見てそのサイズ感にびっくりする。

 

こんな感じで、絵画のスケール感に驚かされるのも、美術展の楽しみ方の1つだと思います。

 

印象に残ったムンクの絵画

 

ここからは、実際に生で見て特に印象に残っているムンクの作品を紹介してきます。

 

メランコリー

 

順路にそって見ていって、最初に「お!」と思ったのがこの絵画です。

 

エドヴァルド・ムンク 《メランコリー》

エドヴァルド・ムンク 《メランコリー》

 

メランコリー」とは、憂鬱という意味らしいですね。

 

背景の水辺や岩などが、普通ではありえないような色になっています。そんなありえない世界にいるのに、手前の男の人は無表情でぼーっとしています。

 

これは多分、この男の人のこころの中の風景なんですね。

いろんな思いとか感情とかがうずまいてよくわからない状態になっている。

 

なんといっても、「憂鬱」ですから。

 

これがもし「爽快」みたいなタイトルだったら、きれいに晴れた空が背景になっていたはずです。

 

つまり、人間の無秩序な感情が、現実ではありえない色使いで表現されているんですね。

 

この不思議な色使いの背景は、『ジョジョの奇妙な冒険』を思い出します。

 

接吻

 

エドヴァルド・ムンク 《接吻》

エドヴァルド・ムンク 《接吻》

 

接吻は、どちらかというと明るいイメージがあります。どすぐろい気分になりたくてキスをする人はいませんよね。

 

幸福のイメージがある接吻という行為。なのに、この絵は全体的に黒くて暗いイメージになっています。そのギャップがあって、この絵に引きつけられました。

 

左下にある窓が、そこだけ明るくなっていて目を引きます。そこから見える外の風景が、接吻をしている二人の心象風景なのかもしれません。

 

この《接吻》がほかの画家の絵とちがうのは、顔が溶けているところです。

 

接吻というタイトルがじゃなければ、何の絵なのかわからないくらいです。

 

片方がもう片方を食べているようにも見えてきます。

まあ、キスは相手の口をむさぼり食っているともいえますが…

 

接吻Ⅳ

 

この《接吻》は連作になっていて、ほかにもいくつか同じ感じの絵があります。

たとえば、これです。

 

エドヴァルド・ムンク 《接吻Ⅳ》

エドヴァルド・ムンク 《接吻Ⅳ》

 

これを見ると、もはや二人の男女が完全に融合してしまっている。誰か特定の人というより、ピクトグラムみたいな、接吻をしている人という記号になってしまっているんですよね。

 

叫び

 

エドヴァルド・ムンク 《叫び》

エドヴァルド・ムンク 《叫び》

 

ムンク展では、《叫び》(と《不安》《絶望》)の絵が、流れ作業のように鑑賞することになっていました。絵の前に立ち止まってじっくり見ることができなかったんですね。

 

これはすこし残念でした。美術館側が、ムンク展にくる多くの人は、《叫び》目当てだと考えたのでしょうか。《叫び》のまわりだけ、異常に混雑することをさけたのか。

 

あるいは、絵の所有者とそういう契約だったのかもしれません。《叫び》の目の前に人を立ち止まらせてはいけない、みたいな。

 

名画こそ目の前に立ち止まってじっくりと見るべきだと思いますが。これは仕方がないですね。

 

実際に《叫び》を見て感じたのは、意外と明るい絵だなということでした。

 

もっと暗くてまがまがしくて、見ただけで不安に押しつぶされるような、そんな絵を想像していました。でもこの予想は、はずれていました。

 

赤、青、黄(黄土色)、緑の色が、バランスよくつかわれています。それぞれの色も、パンフレット等で見るよりも、明るくて薄い印象でした。

 

重くて暗い、ではなく、軽くて明るいだったんです。

これは意外でした。

 

絶望

 

エドヴァルド・ムンク 《絶望》

エドヴァルド・ムンク 《絶望》

 

個人的には、むしろこっちのほうが、怖くて見ていると不安になる絵に感じました。タイトルは《絶望》

 

《叫び》と《絶望》は、ならんで展示されていました。なのでよくわかったのですが、《絶望》のほうがずっしりとした濃くて重い色がつかわれているんですね。

 

こっちのほうが、生々しい本物の絶望を感じている人間がいます。自分の身近にある恐怖という感じです。だから《叫び》よりも怖く感じたんですね。

 

太陽

 

エドヴァルド・ムンク 《太陽》

エドヴァルド・ムンク 《太陽》

 

これは。ムンクらしからぬ希望に満ちあふれている絵です。

 

近くで鑑賞していた人がこの絵を見て、「何かいいことあったのかな」といっていましたwこのなにげない感想が、ムンクがどういう人間なのかをあらわしていると思います。

 

《叫び》とか《絶望》みたいな、人間の暗い感情をあらわした絵。そういった絵とは、正反対の明るい絵なんですよね、《太陽》は。

 

それくらい異色の作品でした。

 

光、それも太陽から感じる光は、圧倒的な希望を感じさせてくれます。

 

ムンクはべつに、絶望の画家ではないんです。こういう絵を見るとそれがよくわかります。

 

物販にポケモン

 

展示の最後にある物販には、ポケモンとのコラボグッズがたくさんありました。

ムンク展のグッズは、ほかの美術展に比べても種類が豊富でかなり気合が入っていましたね

 

グッズ | 【公式】ムンク展ー共鳴する魂の叫び

 

それと最後の出口のところでポケモンカードをもらいました。

叫び、ピカチュウ

ピカチュウが叫びのポーズをしているコラボカードですね。チケットの半券を見せると無料でもらえるとのことです。

 

このキャンペーンは期間限定で、12月16日(日)までです。

ムンク展限定 ピカチュウのカード配布について | 【公式】ムンク展ー共鳴する魂の叫び

 

ムンク展―共鳴する魂の叫び 公式サイト

【公式】ムンク展ー共鳴する魂の叫び