体の疲れは「質の高い睡眠」で回復する。『スタンフォード式 最高の睡眠』書評

本・書評

「最高の睡眠」とはなにか。それは、量ではなく、質を重視した「眠り」のことです。

 

「最高の睡眠」をとるためには、ただやみくもに、長時間眠るだけではたりません。他にもいくつか気をつけるべきことがあります。といっても、そうむずかしいことではなく、明日から、いや今日から実践できることです。

 

質を重視した睡眠

睡眠には、「質」が大事です。寝不足だとか、なんとなく体の疲れがとれない、と日々感じている人も多いでしょう。体を回復させるためには、睡眠時間を長くとるだけでは十分ではありません。

 

「寝る」ということについて、どれくらい眠るか(量)を気にする人はいても、どのように眠るか(質)を気にする人はあまりいないのではないでしょうか。この「睡眠の質」は、普段の習慣や眠りに入る前の準備で決まります。眠りながら質を高める事はできないからです。寝ている間は、意識がありませんから。

 

もっとも、睡眠の「量」がまったく不要かといえば、そういうわけでもないようです。遺伝的に短い時間の睡眠でも平気な人はいるようですが、そういう人は少数派。多くの人は、1日に少なくとも6時間以上の睡眠が必要だといいます。

 

「1日のうち6時間も睡眠にあてられない!」という人は、日中の過ごし方を見直したほうがいいかもしれません。一日中自分の好きなことをやっていてそれでも時間が足りない、というのでもない限りは。

 

体をしっかりと休めて疲労を回復させ、起きている時間のパフォーマンスを最大限引き上げるためには、どうしたって「睡眠」が必要なのです。

 

睡眠と覚醒(パフォーマンス)はセットになっている。脳・精神・体のコンディションを整える質の良い睡眠をとれば、仕事でも勉強でもパフォーマンスの高い一日が送れるし、単に量を求めてだらだら眠ったら、調子が崩れてしまう

 

どうすれば、睡眠によって、完全に体の疲れをとることができるだろう?

どうすれば、起きている間ずっと、頭をすっきり冴えている状態に保てるのか?

 

おそらくみなさんが、睡眠について知りたいことは、こうしたことではないでしょうか。疲労回復とパフォーマンス向上が達成できるなら、質と量のどちらが大事かなんてことは、どうでもいいのです。

 

最初の90分で、睡眠の“質”が決まる

最初の90分間のノンレム睡眠は、睡眠全体のなかでもっとも深い眠りである

睡眠メンテナンスで意識したいのが、「最初のノンレム睡眠」をいかに深くするかということ

 

「最初の90分」の質さえ高められれば、残りの睡眠も自動的に質の高いものになるといいます。逆に、「最初の90分」の質が低いと、どれだけ長時間眠ろうが、いい睡眠にはならないのです。これが質の高い睡眠をとるのに、習慣や寝る前の準備が大事だという理由です。

 

質の高い睡眠をとるために今日から実践できること

本書にある睡眠テクニックの中から、比較的すぐに実践できそうなものを3つピックアップしてみました。

①いびきをしない

②起床時間と就寝時間を固定する

③寝る前に体の深部体温を下げる

 

①いびきをしない

いびきとは、口呼吸のこと。口呼吸は、睡眠の質を下げてしまいます。といっても、寝ている間は意識がないから、気をつけようがありません。なので、日頃起きているときの呼吸を鼻呼吸、「鼻で吸って鼻で吐く」を意識するといいそうです。

 

②起床時間と就寝時間を固定する

毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる。これだけです。

これがむずかしいなら、せめて就寝時間だけでも固定すると睡眠の質が向上するといいます。人間の体内時計はだいたい24時間になっています。毎日同じ時間に眠れば、「寝つきを良くして深く眠る」ことができます。

 

③体の深部体温を下げる

深部体温とは、体のなかの温度のこと。深部体温は、日中活動しているときは高くなっていますが、眠るときには下げる必要があります。なぜ下げないといけないのか。それは、「深部体温」と体の表面の「皮膚温度」を近づけるためです。

 

普通は、深部体温(体の中の温度)のほうが高く、皮膚温度のほうが低くなっています。といっても、「深部体温」と「皮膚温度」の差は2℃くらい。「深部体温」と「皮膚温度」を近づけることで、質の高い睡眠に入ることができます。

このときに、温度の差を縮めるのに有効なのが、「お風呂に入ること」です。

 

深部体温には、「上がった分だけ大きく下がろうとする性質」があるので、これを利用します。お風呂に入れば、体のなかも表面も温かくなります。お風呂から上がったあと、皮膚体温はしばらく温かいままですが、深部体温は一度上がったあと下がっていきます。これにより、「深部体温」と「皮膚温度」が近づいて、眠りに入りやすくなるというわけなのです。

眠気を逃さない

まあ小難しい理屈はともかく、寝る1~2時間前にお風呂に入って温まれば、眠りに入りやすくなるということです。これは、なんとなく感覚的に分かる部分もあるのではないでしょうか。お風呂に入る前よりも、上がったあとのほうが眠気は強くなるものです。

 

「眠い」と感じたら、それは体が眠りに入る準備を整えているということ。それは、質の高い睡眠を取る絶好のチャンスです。眠気の波がきたら、本やゲームやPCを放り出して、すぐさま布団に入りましょう。それが最高の睡眠をとる秘訣です。