仕事の壁をぶち破るにはアートの力が必要だ『ビジネスの限界はアートで超えろ!』書評・感想

彫刻 アート

 

これからの21世紀を生き抜くには、

ロジカルシンキング(論理思考)だけじゃなく、アート(感性)も大事

という考えが書かれている本です。

 

「でもビジネス(仕事)とアートって共通点なくね?」

と思うでしょう。

ですが、トップ企業の経営者にはアート好きな人が結構いたり、アートを仕事の一環として取り入れている会社もあるのです。

 

この本は、

「アートには興味があるんだけど、クリエイターじゃないから仕事にはまったく活かせないんだよなあ。
だから、美術の本を読んだり、美術館に行ったりする時間は無駄なのかなあ」

という悩み(思い)をもっている人におすすめです。

 

アートは仕事に役立たないどころか、世界中のトップクラスの経営者はみんなアートを愛好しているといいます。それは、一見アートとまったく関係のない会社や仕事であっても、です。

 

せっかくアートが好きという気持ちをもったのです。

無理にしまい込まず、むしろその気持ちを解放して、アートによって育まれた感性を存分に仕事に活かしましょう!

 

 

本書は、絵画の解説や美術の歴史といったアート側からの本ではないです。

「アートの感性をビジネス(仕事)に活かす」なので、ビジネスの立場で書かれています。

 

アートについてまったく知らなくても大丈夫です。

むしろ、これからいろいろ絵画を見たり、美術の本を読んだりしたいと思っている人こそ読むべき本です。

 

実際にどんな場所、場面でアートが活きてくるのか、本書の中から紹介します。

 

アメリカの経営者がアートを学ぶ理由

 

アメリカのトップ経営者はアートを勉強するのが“必須”になっているそうです。

 

その理由は、

・経営者同士の雑談でアートについての話題がわりと頻繁に出る
・アートを学ぶことでビジネスにおける新たな知見と気づきを得られる

というもの。

 

どういうことなのか、詳しく見ていきましょう。

 

トップ経営者はアートが共通言語

 

1つ目のアートの話題。

これはトップ企業の経営者にはよくあることなのだそうです。経営者がするのは商談だけではなく、ビジネスの合間に仕事とは関係ない話をしたりするんですね。そのときに話題にのぼるのが“アート”なんです。

 

そこでアートについて何も知らないと、相手と話にならず、結果自分の会社に損をさせてしまうことになる。

 

これは経営者でなくても当てはまることだと思います。

べつにすごく詳しくなくてもいいんです。たとえば、ピカソやゴッホみたいな超有名なアートについて話すでも。あるいは、いま開催されている美術展に行った感想などを共有するのもいいですね。

 

美術展は日本だけでも全国で開催されています。

ちがう地域の取引先の人と、お互いの地元でやっている美術展のことを話して情報交換するのはとてもいいことです。

 

アートが仕事に気づきをもたらしてくれる

 

アメリカのトップ経営者が美術を学ぶもう1つの理由は、

「経営者としての新たな知覚と気づきを手に入れるため」

です。

 

これは経営者じゃなくてもいいでしょう。

普通の、というか仕事をする人すべてに当てはまることです。

 

「経営者の」を除けば、

自分の仕事で新たな知覚と気づきを手に入れるため

にアートを学ぶのです。

 

仕事にアートを活かすというと、

「なんだかむずかしそう」

「どうせ才能がいるんだろうな」

なんて思うことでしょう。わたしもそう思います。

 

でもアートがもつクリエイティビティ(創造性)は、意外と身近なものなんです。

 

著者の増村さんは、それを“カレー”にたとえて説明しています。

 

カレーは比較的簡単な料理です。

レシピを見れば誰でもつくれるし、そんなに大きく失敗することはない料理。

 

だから、素人でも“アレンジ”を加えたりできます。

 

じゃがいもとにんじんの代わりに、なすとピーマンを入れたり。

ハムとかソーセージを入れたり、香辛料もたくさんあって自分好みの味にできます。

 

この“アレンジ”こそが、「クリエイティビティ」なのです。

 

まずはマニュアル通りに作業し、経験を重ねながらさまざまな情報をインプットし、カスタマイズしていく。

 

クリエイティビティ(創造性)というと、生まれもった才能がないと発揮できない、と思ってしまいます。でもそうではないんですね。

 

クリエイティビティは、

既存のあるものに自身で入手した情報を使ってアレンジを加え、べつのあるものと組み合わせることにより新しいものを生み出すこと

なんです。

 

すでにあるものとすでにあるものをかけ合わせて別のものにするのも、立派なクリエイティビティということです。

アートは、0から1を生み出すだけじゃないんですね。

 

ピカソゴッホみたいなアートの巨匠ですら、全部を自分でつくり出したわけではないんですよね。

 

ピカソのキュビスムも、セザンヌという人の絵画からヒントを得たものだといいます。

ポール・セザンヌ《苺と桃のある静物画》

ポール・セザンヌ《苺と桃のある静物画》

 

ファン・ゴッホやピエール・ボナールは、日本の浮世絵から多くの影響を受けています。

ファン・ゴッホ《花魁》

ファン・ゴッホ《花魁》

 

ほかの誰かが描いた絵を見て感動して、そこから学んだものを自分の絵のなかに活かす。

 

アートの世界ってこれの繰り返しなんですよね。

 

まとめ:アートはビジネス・仕事に活かせる

 

『ビジネスの限界はアートで超えろ!』を読んで、気づいたこと。

 

それは、アートは仕事だけじゃなくて人生も豊かにしてくれる、ということです。

 

美術館にいって絵画を見るのはとても楽しい。自分の脳みそが刺激されて喜んでいるのがわかるくらいです。

 

アートは、完成品からも、それを生み出す過程からも学べることがあります。

 

見たことのない絵画や彫刻を見ると視野が広がります。感性が豊かになります。

絵画を生み出す過程は、クリエイティビティ(創造性)がどういうことなのかをおしえてくれます。

 

何も見ずに、何も読まずに、ほかのものからまったく影響を受けないのが“創造”ではない。

自分がインプットしたものに、ちょっとだけでも自分のアレンジを加えるのが“クリエイティビティ”なのでした。

 

アートに触れる方法として、わたしの個人的おすすめは、美術館に行くことです。

 

たとえば、いまピエール・ボナールの美術展が開催されています。

オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展|国立新美術館 2018年9月26日(水)〜12月17日(月)
オルセー美術館のボナール・コレクションが一挙来日。約30点は初来日!

 

ボナールは、日本の浮世絵から影響を受けた画家です。

その作品からは浮世絵らしさを見て取ることができておもしろいです。

 

ボナール展で見た絵画の感想レポートも書いたのでよかったらどうぞ