『君は008』を例に、電子と紙の漫画の内容物のちがいを比較してみる

マンガ

最近、電子書籍でも漫画を読むようになりました。

紙はかさばるし、漫画はスイスイ読めてしまうから全部紙で買っていると床が抜けてしまいます。

 

電子書籍は、無料になっていることがよくあります。というか、いまは常に何かしら無料で読めますよね。たとえば、アマゾンのkindleストアとかで。なので、電子書籍を取り入れてから漫画を読む量は格段に増えました。

 

ただ、電子書籍は紙とはちがうので、不満に思うような点もいくつかあります。

そこで、電子書籍と紙の“ちがい”をコミックス(漫画の単行本)ベースで比較してみようと思います。

 

結論としては、

作品の本編だけを読めればいいなら、電子書籍
カバー裏とか折返しとかも含め、作品全体として楽しみたいなら、紙

です。

 

それではいきましょう。

サイズ感

 

画面の大きさとか見やすさです。

 

漫画をスマートフォンで読もうとすると、拡大しないと読めません。読めないこともありませんが、小さいコマとか小さい文字とかは読めないです。なので、スマホだと1ページを4回にわけて読むことになる。これが意外とめんどくさいんですよね。

 

紙の単行本のサイズはだいたい8インチ。だから、紙と同じ大きさで拡大せずに読もうとするなら8インチ以上のタブレットが必要になります。

 

値段

 

値段は、アマゾンで購入する場合で比べてみます。

比較するのは、『君は008』3巻

 

電子書籍(kindle版)は、453円+ポイントが4ポイントつきます。実質449円ですね。

一方の紙。紙の単行本(コミックス)の値段は、490円+ポイントが12ポイント。実質478円になります。

 

値段だけみると、電子書籍のほうが30円ほど安くなっています

何をおいてもまずは値段の安さだ!という人は電子書籍を買うのがいいでしょう。

 

ただ、このあと比較していきますが、紙にあって電子にない要素がいくつかあります。それらを考慮していくと、30円の差はほとんど気にならなくなります。

 

見開きで絵がつながっているページ

 

ここからは、具体的に漫画の中身について紙と電子で比べていきます。

 

漫画を読んでいるとたまに、絵が1ページにおさまらずに、見開きにわたって描かれていることがありますよね。こういうページは、紙と電子どちらのほうがいいのか。

 

電子の場合

 

電子だと、真ん中のほうに描かれている部分まできっちり見られます。紙だと真ん中は綴じられてしまっているからですね。

 

君は008第1話アイキャッチ

©Syun Matsuena 2018

各話数のはじめにあるアイキャッチなんかは、電子のほうが見やすいです。アイキャッチは、一枚のイラストとして描かれているからですね。

 

紙の場合

 

紙は、ページをめくった瞬間にぱっと見で全体を見られます。

これの何が重要かというと、臨場感です。スマホで拡大して読んでいるときは、見開きページがきたら一度ズームアウトしないといけません。

 

このときに拡大した部分だけ先に見えてしまい、そのあと全体を見ることになる。この差はバカにできません。緊張感のあるシーンだと、はじめにコマ全体を見られるか、部分だけ先に見えてしまうかで読んでいる方の“ノリ”が変わってくるからです。

 

第1話城戸あやめ戦闘シーン

©Syun Matsuena 2018

アイキャッチならいいですが、試合やバトルシーンの場合は、紙のほうが勢いを削がれずに読み進めることができます。

 

物語の流れのなかなら紙アイキャッチをよく見るなら電子がいいです。

 

カバー裏

 

松江名俊の作品(少年サンデーコミックス)は、カバー裏に描き下ろしイラストがあります。紙の単行本には、これが収録されています。

『君は008』1巻カバー裏イラスト

『君は008』1巻カバー裏イラスト/©Syun Matsuena 2018

 

カバー1枚を丸々つかって、ちょっとしたポスターになっています。可愛くてエロティックなイラスト。正直これだけで紙の単行本を買う価値があると思っています。

 

残念ながら、電子にはカバー裏のイラストは収録されていません。あえて紙だけの特典にしているのか。それともただ入れてないだけなのか。それは不明です。

 

イラストのデータ自体はあるはずですから、収録してくれてもいい気がしますけど…

 

背表紙

 

の単行本、あり

電子なし

 

電子書籍派の方は、「背表紙なんかべつにいらないよ」とお思いでしょう。

ですが、単行本の背表紙にも描き下ろしイラストがあったりします。作品によっては。

 

『君は008』の場合、巻数の下にキャラクターのイラストがあって、順番にならべるとイラストがつながるようになっています。こういう遊び心はとても好きです。

君は008背表紙

©Syun Matsuena 2018

 

『ドラゴンボール』のコミックスにもあったやつですね。

 

カバー裏表紙

 

紙、あり

電子、なし。

 

カバー裏ではなく、カバー表の裏表紙です。

君は008裏表紙

©Syun Matsuena 2018

 

お店に平積みされている漫画をそのまま裏返したときに上にくるのが裏表紙です。

値段とかバーコードとかが印刷されている面ですね。サンデーコミックスの場合は、あらすじイラストがのっています。このイラストもおそらく描き下ろしだと思います。

 

 

紙、あり。

電子、なし。

 

帯はあまり重要じゃないと思われがちです。

帯に書いてあるのは、

キャッチコピー・出版社のアプリなどの宣伝・作者の作品一覧

などです。たまに、読者プレゼントの応募券がついていたりしますよね。

 

帯だけを理由に紙の単行本を買うことはなさそうです。

帯の表紙側に書いてある、その巻数のキャッチコピーとか結構好きですけどね。

 

カバー折返し部分

 

紙、あり。

電子、なし。

 

カバーの折返し部分です。

『君は008』の場合、カバー折返し部分には、作者の似顔絵一言コメント表紙のデザインをした人の名前キャラクター紹介がのっています。

 

カバーの折返しは、なくて困るというほどではないけれど、あったほうがより楽しめますね。

 

『君は008』の電子版には、折返し部分は収録されていません

が、週刊少年ジャンプの作品の電子版には、折返し部分が収録されているようです。

 

折返し部分が電子にあるかどうかは、出版社やレーベルによって変わってくるみたいですね。

 

次巻予告ページ

 

紙、あり。

電子、なし。

 

単行本の次回予告のページです。

 

特に必要ないかとも思いますが、いいところでその巻が終わったりすると、予告を見て展開を予想したいり、妄想したりといったことに役立ちます次巻への期待がよりふくらむんですね。

 

そういえば、「裏サンデー」の電子版にはありましたね、次巻予告。「少年サンデー」にはないのに。出版社は同じでもレーベルによって変えてるんですね。わざとかどうかはわかりませんが。

 

表紙

 

紙、あり。

電子、あり。

 

表紙はさすがにどちらもあります。漫画の顔ですからね。

 

ひとつ謎なのですが、スマホだと、電子版の表紙はなぜか拡大ができないようになっています。PC用のkindleだとできるのですが…

 

なので、スマホだと表紙に細かい描き込みや文字があった場合に読めません。

まあ表紙をじっくり見る人なんてあまりいないのかもしれませんが。

 

発色のちがい。色のあざやかさ

 

漫画は基本、です。

 

カラーなのは、表紙くらいでしょうか。あと、フルカラー版とか。

ウェブ連載されている最近の作品だと、冒頭少しだけカラーだったり、話数ごとのアイキャッチがカラーイラストだったりします。

 

色のあざやかさは、紙と電子、ほとんど同じです。

 

紙の表紙のほうがややきれいという感じです。でもこれは液晶の画面で見ているからで、有機ELの画面ならほとんどちがいはないという気がします。

 

本体の表紙と裏表紙

 

紙、あり。

電子、なし。

 

紙の単行本の場合、帯とカバーを外したらでてくるのが、本体です。

『君は008』第1巻本体表紙

『君は008』第1巻本体表紙/©Syun Matsuena 2018

 

本体の表紙と裏表紙にも描き下ろしのイラストがあります。これは電子版には収録されていません、いまのところ。

 

これもジャンプコミックスの電子版には、ありましたね。

 

解像度

 

紙、高い。

電子、やや低い。

 

電子版を拡大してみると、よくわかります。電子書籍の解像度はそこまで高くないのです。

 

絵はほとんど問題ないです。ただ、小さく書かれた文字、ルビ(ふりがな)などは拡大しても文字がつぶれてしまっていて読めないことがあります

 

その点、紙は細部まできっちり印刷されています。ルビもバッチリ読めます。絵のなかに描きこまれた文字も判別可能です。

 

電子書籍はあまり解像度を上げると、データ容量が大きくなってしまうからあえてそこそこの解像度におさえているのかもしれませんね。

 

ページをめくる速度

 

ページをめくる速さは、普通に読んでいるぶんには大差ないです。

 

ただ、パラパラとページをめくって目的のページを探したり、流し読みするときには紙のほうがスムーズにいきます。これは漫画以外の本でもいえることですね。

 

電子でも連続でタップしていけば出来ないこともありません。が、紙のほうが手に馴染んでいるからやりやすいです(気がする)。

 

結論

 

紙と電子。単行本で比較してみた結論は、

 

じっくり読むなら、紙。サラッと読むなら、電子

 

です。

 

もう少し補足すると、

・紙でスペースをとるのが嫌な人
・本編だけ読めればいい人
→電子書籍

 

・カバー裏など単行本を全体的に楽しみたい人
・何回も読み返す人
・本棚にならべておきたい人
→紙がいい

 

ということです。

 

昨年くらいに、漫画の単行本の売り上げで、電子が紙を上回ったなんてニュースがありました。それを聞くと自分も電子にしないといけないような気になりましたが、紙の魅力が無くなったわけではありません。

 

実際、漫画を読むときの紙は、かさばるということ以外欠点がほぼないです。

 

たしかに電子書籍は、

場所をとらない
持ち運びが楽
読みたいときにすぐに買って読める

など、紙にはできないことを実現しました。

 

でも単純に物語に没入するみたいな、漫画それ自体の読みやすさなら、むしろ紙のほうが上だと思っています。

 

それもそのはずで、もともと漫画は紙で読まれることを想定してつくられています

見開きページがきたときに、紙のほうが読みやすく感じるのは当然なんですね。作者は、読者が紙で読むことを前提にコマを描いているはずですから。

 

逆に、電子書籍として読まれることを前提に漫画を描く人も今後は増えていくでしょう。デバイスも高機能になっていきます。

そうなると、解像度などの読みやすさもまた変わってくるはずです。

 

それはそれで楽しみです。

個人的には、紙で読むのはやめられそうにありませんが。